iPadを使うクリエイターへ向けて、ノマド・イラストをご紹介

Nomad Life

【第1回】現代におけるドラゴンとワイバーンの違いについて考える。

monsterremind

ゲームや小説で一度は耳にしたことがある名前のモンスター達や、あまり知られていないようなモンスターまでなんとなく名前は聞いたり形は知ってるけど深くは知らない。そんなモンスターについて知っていただき知識を深め、普段ゲームなどでの敵というぐらいの認識しか無いモンスター達にスポットライトを当てていこうという記事です。

かなり独断と偏見があるかもしれないのでその点はご了承ください。モンスターのいいところは想像上の産物なので正解を誰も知らない事だと考えていますのであくまで個人の解釈だと思ってもらえれば幸いです。

ドラゴンとワイバーンの違いはなんだろう?見た目は似ているけど具体的な違いは?
そんな疑問を個人的解釈に基づき解説していきます。まずは両者の特徴を箇条書きで書いていこう。

2018.01.20追記

新しいモンスター記事を掲載しました。こ値らの記事ではシーサペントをとりあげております。


Dragon/ドラゴン

  • 翼:手足に加え翼がある。そもそも鳥やコウモリの翼は人間でいうところの腕が何世代にも渡って進化してできたもの。つまりドラゴンはこの地球上の脊椎動物が3億年という月日をかけて進化してきても許されない腕4本という贅沢仕様。無理やり進化論に当てはめると元は腕4本だった生物が後ろの腕を空を飛ぶ為に進化させたのかな?
  • サイズ:大きい。一般的なドラゴンの成体は少なくとも6m~というイメージ。ではその大きなサイズの生物が航空力学上、よくみるドラゴンの翼の面積で空が飛べるかというと答えは否。高いところからの滑空なら可能でしょうが羽ばたいて飛ぶには面積と筋力不足といえる。とある尊敬するイラストレーターの方がドラゴンは魔法の力で浮いていると仰っていて納得しました。そもそもファンタジーに地球の理論を当てはめるのは野暮ってもんですね。
  • 知性:作品によって違うとは思いますが知性は高く描写されてることが多い気がする。なんなら魔法を使ったり魔法で話しかけてくるドラゴンまでいる。敵として現れる場合はその反対に超獰猛に書かれることもしばしば。大半がこっちか?獰猛なドラゴンでも生物としてというより悪人?として描写されることが多いと思います。悪意の上での街の破壊や生贄を食べたりしている気がする。例えば指輪物語りのホビットの冒険のスマウグはキレて街を焼き払ったりしていた。
  • ブレス:ドラゴンとえ言えばやっぱり口から吐く炎。体内でガスを生成して、噴出する器官があり、そのガスが空気と混ざると炎になると考える。


Wyvern/ワイバーン

  • 翼:ドラゴンと違い前足が羽になっているタイプをワイバーンと呼んでいる。コウモリのように指の間の皮膜が大きくなって翼になった形状をしている。モンスターハンターのリオレウスをはじめとする飛竜はワイバーン型
  • サイズ:ドラゴンより小さい。一概には言えないですが2m~10mといったイメージ。ワイバーンは体が小さいうえ、ドラゴンに比べて翼が大きいので現実にいても空を飛べるんじゃないかなと思っています。
  • 知性:犬と同じくらい。人間に使役されることも多々あるように感じるので犬かそれより賢いぐらいの知性はあると考えるドラゴンのように人語を話したり魔法を使ったりはできないと思う。
  • ブレス:吐かないか、炎を吐いても体格差からドラゴンのものよりは火力は低いかと

ワイバーンはドラゴンに比べて比較的現実的で動物感が強い気がします、反対にドラゴンは強い生物の象徴的存在で畏怖の対象になるような生き物というように解釈しています。
ドラゴンはゲームやファンタジー小説ではきまって強キャラ、ワイバーンは道中出てくる中堅モンスターといった感じかと。
ドラゴンとワイバーンはどこで格差が生まれたかというと
世界の歴史的にドラゴンの方が圧倒的に長く、神話や伝承の物語に多く名前が登場し中世後期にはキリスト教に異教の象徴として扱われ、聖書や宗教画に度々登場たしたため。 人対ドラゴンは善対悪という構図になり現在の確固たる知名度を手に入れたのだろう。

反対にワイバーンは元はドラゴンの中の1匹の名称だったらしい。イギリス・ノーサンバーランド州にワイヴァーンと呼ばれるドラゴンが住んでいたそうです、しかし元は1匹のドラゴンの名前でしかなかったワイバーンもある程度知名度があり、前足が翼になっているイメージは固まっているのではないでしょうか?このイメージが固まったのには騎士の紋章にワイバーンが使われたからだと考える。
ではここでWikipedia先生にご登壇いただこう。こちらはワイバーンのwikiページ

紋章学におけるドラゴンとの区別
「二足の竜」の図像は、イギリスを除くヨーロッパではドラゴンの一般的な形態の一つとして扱われており、これをワイバーンとしてドラゴンから区別するのはイギリスおよびイギリスの旧植民地に特有のことである。 また、そのイギリスにおいても当初からワイバーンとドラゴンは区別されていたわけではない。 二足の竜をドラゴンと読んだ例も、四足の竜をワイバーンと呼んだ例もあるため、過去の文献にあたる際にはワイバーンと記されていてもそれが即ち二足の竜を表しているとは限らないことに留意が必要である。 Barron (1905)は1530年の文献に対し、この時期の殆どの紋章記述においてドラゴンという術語は二足の竜を指しているとした。少なくともこの時期においてドラゴンとワイバーンは同一視されていたと言える。 Fox-Davies (1902)が「ワイバーンとドラゴンの区別は比較的最近のことであるのを忘れてはならない」とするように、四足のドラゴンがイギリスの紋章学に登場したテューダー期以降もワイバーンとドラゴンの区別は厳密に行われてきたわけではない。典型的な例が大英博物館の写本部の印章の目録(Birch 1887)であり、ここではそのテューダーの四足のドラゴンを指してワイバーンと呼び表している。

とこのように境界は曖昧ではあるが
二本足=ワイバーン 四本足=ドラゴン
という認識でいいんではないでしょうか、個人的には最強のドラゴンよりも生物っぽいワイバーンのほうが好きです。
とまあ、ここまで書いてきましたが実在しない生物はみんなの心の中に正解があるのでこうだからドラゴンじゃないということはないと思います。個人的見解&なんとなくなので詳しく知りたい方は
ドラゴンwiki ワイバーンwikiへどうぞ!

こちらの幻獣をまとめた本が非常に情報量が多くオススメです
様々な古典から調べモンスターの出所を調べ纏めた一冊。ファンタジーのゲームや小説の設定を考える際のお供にどうぞ。

 

幻獣大全〈1〉モンスター

Amazon

幻想生物 西洋編

Amazon

 

  • B!